医者の悪口を言い始める
認知症だと診断され要介護1がついた今では、自分ひとりで病院に行くことはなくなった夢子ばあちゃん。
異常なほどの回数、病院通いをしていることに気がついた娘の私たちが「あれ?なんか変だな?」と思い始めた数年前は、多分認知症初期の段階だったと思われます。
内科の病院では、自分の求める病名(母の場合は「膠原病」)が得られないと納得せず、何度も精密検査を求めてしまっている様子です。
さかんに

「〇〇先生は全然ダメだ。あれはヤブ医者だよ。ちっともこっちの話を聞いてくれないで、ちゃっちゃっって!はいはい、って言って適当にあしらってくるんだよ!」
とお医者さんの悪口を言うようになってきました。
不審に思って姉のあこちゃんが実家の薬や保険証が入れてある引き出しを調べてみると、そこには大量の飲んでいない薬が!
色んな病院の診察券も何十枚も!
認知症ものわすれ外来には行きたがらない
そんな病院大好き夢子ばあちゃんですが、認知症を心配した娘たちが「ものわすれ外来」への受診を勧めたときには激しく抵抗しましたね~。
単に病院に行くのが好きなのではなく「自分の求める理想の病名と重病人として手厚く扱ってもらうこと」が目的みたい。
「ものわすれ外来」へ実際に行くまでにはかなりの時間と苦労が必要でした。
詳しくはこちらの記事を読んでみてね

通院に付き添い認知症をこっそり伝える
認知症が進んできて、自分で病院に行くのが難しくなってきてからは、長女のあこちゃんや次女の私が付き添って病院に行くようになりました。
最初に受付でこっそり
「すみません。認知症が進んできてまして、同じことを何回も言っちゃったりするかもしれません。診察室には私も付き添いますので」
と言っておくようにしてましたね。
そうすると受付の方が先生に伝えておいてくださる感じ。
お医者さま的にも何度同じことを言っても、次に来るときにはすっかり忘れて同じことを繰り返し言われていたらうんざりしちゃいますもんね。
本人に「あなた多分認知症だから次から家族の人と来て」とは言えないだろうし・・・
診察室に付き添わずに起きたトラブル
いろんな種類の病院に行きたがった夢子ばあちゃんですが、一度歯医者さんに付き添ったときに治療中私が付き添わなかったことがありました。
1回目は、中まで付き添って説明を聞いて治療が開始されたので、私は待合室で待つことに。
2回目以降は治療内容は分かっていたので、夢子ばあちゃんを治療台まで送り出し、待合室で待っていたら・・・
なんとお会計のときに「次回18万円程かかります」と!!!!
どうやら一番高い差し歯を頼んじゃったらしい夢子ばあちゃん。
その後もいろいろありまして、最高級の歯を何本も入れそうになった顛末はまた別で記事にしますね。
トラブル回避のためにも、認知症の方には治療中も付き添った方がいいと思います。
病院通いが少なくなったコツ 我が家の場合
同じことを言ってばかりでお医者さまに嫌がられ、「雑に扱われた!ヤブ医者だ!」と文句を言うようになった夢子ばあちゃん。
ついには「別の医者に行きたい。連れていって」と私に頼んできました。
この時は眼科でしたね。
白内障の手術を以前して、その後に目の不快感を訴えても目薬を出されるだけで全然取り合ってくれない!という不満でした。
姉のあこちゃんと相談し、新しく近くのショッピングモールの中にできた眼科に連れて行くことにしました。
なぜなら・・・先生が若いイケメンだったから。

いや、それだけじゃないですけどね。口コミにその先生がすごく話し方が優しくて丁寧だと書いてあったんでね。
夢子ばあちゃんが求めているのは多分そういうことなんだろうなぁ、と思って。
もちろん受付の方に
「すみません。認知症が進んできてまして、同じことを何回も言っちゃったりするかもしれません。診察室には私も付き添いますので」とお伝えしておきます。
初診なので先生に診てもらうまでにいろんな検査をしてもらう夢子ばあちゃん。
病院も新しいから検査技師さんの年齢層も若め。
ベテラン系のおばちゃんとかおじちゃん職員さんがいない感じです。
丁寧に扱われて夢子ばあちゃんも満足そう。
「こんな検査〇〇眼科ではしてもらったことないよ」
・・・そんなわけあるかい!
とは思いつつも顔には出さない長女あこちゃん&次女の私。

診察室に入ると、認知症だと伝えていたからなのか、それとももともとなのか、イケメン先生がそれはそれは丁寧に対応してくれました。
「夢子さん、あのね、この目の不快感ね。これは老化現象のひとつで仕方がないの。手術するって方法もあるけど、デメリットの方が多いから僕はおススメしないかな」
と、きっちり夢子ばあちゃんの方に全身を向けて、ちょっと前のめりな姿勢で優しく話してくれました。
名前まで呼ばれて、ていねい~に説明されて、ぽ~っとなっちゃう夢子ばあちゃん。

「あ~、そうですか。いえね、〇〇眼科の先生に白内障の手術してもらったんですけどね。何を言っても全然取り合ってもらえなくてですね!今日してもらったような検査なんてやってもらったこともないんですよ!」
と他の医者の悪口を言い始める夢子ばあちゃん。
すると先生は
「〇〇先生、よく知ってますよ。そんなことないと思うけどなぁ~」
とちょっと困るイケメン先生。
顔面で「すみません!認知症だから!いつもこうなんです!」的なことを表情で伝える娘たち。
先生にも伝わったようで「じゃあね、夢子さん。目が気になるとき用にね、目薬出しておきますから、それをつけてみてね。それでちょっと、様子を見てみて、ね」
と、それはそれは優し~く対応していただきました。
心配されれば満足いく
結局、老化による症状なので対処療法しかない、という同じ診察結果ではあったんですが・・・
「いや~診てもらってよかったよ。〇〇先生とは全然違う。あの先生は良いお医者さんだよ!」
と満足した夢子ばあちゃん。
「・・・いや、同じ診察結果だよ・・・」
とウンザリして目を見合わせた娘たち。
とはいえ、これで「病院に行きたい!」という夢子ばあちゃんの要求はひと段落しました。
結局「心配されたい」「大事にされたい」という欲求が満たされれば、病院に行かなくても満足したようです。
・・・めんどくせえ!
と、うんざりしちゃいますが・・・
急がば回れ的な・・・?
今現在は月2回の訪問診療と、週1回の訪問看護を受けている夢子ばあちゃん(86歳)。
訪問診療の先生はわりとサバサバした早口の先生なので、夢子ばあちゃん的には不満なようですが、訪問看護の方がゆ~っくりと話を聞いてくれるので満足しているようです。
認知症の症状にもいろいろあるとは思いますが、この「心配されたがる」系のやつは、ホント面倒ですよね~~~。
でも、エンドレスで「病院に行きたい!」と言われ続けるよりは、結局は「心配されたい大事に扱われたい欲求」を満たす方が、なんだかんだ言って楽ではあります。
本当に深刻な症状のときは、もちろん別ですが、我が家ではとりあえず「すごく心配している感を出して寄り添う」方式で乗り切っています。
夢子ばあちゃんの介護関係の人々「チーム夢子(と読んでいる(笑))」の皆さんにも、この「心配されたがりな性格」を共有してもらっています。
ホント、申し訳ないけど・・・
娘の私たちも「また病院に連れていって同じ診断を受ける面倒くささよりは!」と、女優の仮面をかぶり、同じことを言われても「同情して心配する演技」を繰り返し、乗り切っています。
もう姉妹2人で北島マヤ&姫川亜弓状態です。
この対応が正解かどうかは、認知症の方の性格にもよるとは思いますが
「かまってちゃん」タイプの方には是非試してみてね、
